XXIO DUNLOP

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2006,07,28
vol.2
ALL NEW ゼクシオ
・フェアウェイウッド&ユーティリティ 細部へのこだわりから生まれた打ちやすさと飛距離の伸び
2006,01,20
vol.1
ALL NEW ゼクシオ
・ドライバー
SLEルール適合モデル・高反発モデル “打ちやすさ”の追究から生まれた大きな飛び

特集『ALL NEW ゼクシオ』インサイド・ストーリー VOL.1 ALL NEW ゼクシオ・ドライバー SLEルール適合モデル・高反発モデル“打ちやすさ”の追究から生まれた大きな飛び
2000年の登場以来、記録的ともいえるセールスで多くのゴルフファンを獲得してきたゼクシオの4代目モデルがついにデビューした。 『ALL NEW ゼクシオ』と名づけられたこのモデルには、従来の概念を捨て、文字どおり“一新”した性能や構造が数多く取り入れられている。
それらはどのような発想から生まれ、形になったのか。その軌跡を商品企画担当者に3回にわたって語ってもらった。
今回は、ドライバー誕生の舞台裏に迫る。

ゼクシオ・ユーザーは“打ちやすさ”を求めていた

『ALL NEW ゼクシオ』(以下ALゼクシオ)のドライバーの開発にあたって、避けては通れなかった“関門”。それは、ほとんどのゴルファーにとって最大の関心事でもある。そう、ヘッドの反発係数を規制するSLEルールだ。
 従来モデルにも適合モデルはあったが、それはいわば「飛ぶもの(高反発フェース)を飛ばないように」したものだった。だが、今回取り組んだのは、「飛ばないもの(反発係数を規制されたフェース)でいかに飛ばすか」ということである。

山元写真
山元健(やまもと・けん)
SRIスポーツ株式会社
商品開発部 主査

宮崎県出身。
1989年住友ゴム工業株式会社入社。
テニスラケット、ゴルフシューズなどの開発を経て、2000年からゴルフクラブの企画開発を担当。ゼクシオには2代目以降のすべてのアイテムの企画開発に携わっている。
 そのためには何をしなければならないのか。その出発点として、SRIスポーツ・商品開発部の山元健たちは、先代(3代目)モデルのユーザーを対象に意識調査を行った。現在のゼクシオに満足しているのか否か、満足していないとしたら何が足りないのか。また、満足している人でも、次はどんなクラブを求めているのかを調べた。
 その結果、ドライバーに求めるのは、当然ながら飛びがトップ。それに、打ちやすさ、方向性が続いた。一方、アイアンは打ちやすさが筆頭で、方向性、飛びの順となった。
 これだけ聞けば、そんなものかと思うかもしれない。だが、ドライバー、フェアウェイウッド(以下FW)、アイアンのすべてを合わせた結果では、2代目の調査ではトップだった飛びを、僅差ながら打ちやすさが上回った。つまり、ユーザーの打ちやすさを求める傾向が強くなっていたのである。
 こうして、ALゼクシオ・シリーズの開発では、従来と同じく「飛び」をめざしながらも、「打ちやすさ」を最優先に商品に反映させることになった。
 とはいえ、「打ちやすさ」という言葉は複合的であり、漠然としている。打ちやすいクラブとは、具体的にはどんなものなのか。
「ボールが楽に上がってくれて、どこでヒットしてもミスになりにくく、今までどおりのスイングをすればまっすぐ大きく飛ぶ。それが打ちやすいクラブです。それを機能として追究していくと、球の上がりやすさには打ち出し角を上げる工夫が必要になり、ミスヒットをしてもミスにならないためには、スイートエリアを拡げるという点に行き当たります」(山元)
 これを適合ドライバーで実現するために、山元たちは何をめざしたのか。
 2代目ドライバーから3代目へのモデルチェンジの際、飛ばすために追究したのは、ヘッドの反発係数のアップだった。それに対して今回のモデルチェンジでは、反発係数を上げるのではなく、打ちやすさで飛ばすという“方向転換”をする必要があった。
「従来モデルの“高反発”に対応する言葉で、適合モデルの武器を説明するなら“重心設計”。重心の工夫で飛ばすということです」


軽量化のための“フルチタンコンポジット”

 ご存じのように、ボールを遠くに飛ばすためには、インパクト直後の条件が「高初速」「高打ち出し」「低スピン」であることが理想である。そのうちの初速が抑えられるとなると、残る2つの条件、すなわち、打ち出し角とスピン量の2条件を、重心設計によっていかに向上させるかがカギになる。
 それに加え、山元たちは、「飛び」のために何かできることはないかと考えた。飛びとは何かを吟味し、出てきた答えが、「オフセンターショット時の飛距離ロスを減らす」というものだった。
「センターで打てば飛ぶことはわかっていても、いつもセンターでは打てません。センター以外で打ったときの飛距離の落ち具合を減らせれば、平均飛距離はアップします。つまり、ドライバーとしての飛距離性能は上がることになると」
 センター以外で打っても飛距離が落ちないようにするには、スイートエリアを広げる必要がある。そう、平均飛距離を上げるためにも、重心設計は重要なのである。

フェースとクラウン写真
徹底的に軽量化したフェースとクラウン
(適合モデル)

薄くしても反発力を抑えられる軽比重チタンを採用したフェース(左)と、強度が高いため極限まで薄くできた15-3-3-3チタンのクラウン(右)。2つのパーツの軽量化が、低重心化につながった。
「低重心化のために、ヘッド上部を軽量化し、それを下部にもっていくのがテーマでした。その目標のために、各パーツをどう軽量化するかが最終的な課題になったのです」
 ただ、こうした努力はこれまでもやってきたことであり、それを今まで以上に追究するためには、新しい素材と構造が必要になる。
 軽量化できる部分はどこかを考えたとき、真っ先に目が向けられたのがクラウン部分だった。
 従来モデルは鋳造の一体チタンボディだった。クラウンを軽くするには、そこだけ軽い素材を使えばよい。実際、ゼクシオ・プライムでは、クラウン部分にチタンより比重の小さいマグネシウムを採用している。ただし、これには気になる点もあった。チタンとマグネシウムという異なる素材同士を結合させるには、溶接ではなく接着しなければならない。だが、接着には、お互いが重なる“のりしろ”が必要になる。クラウンを徹底的に軽くするには、のりしろの重さは惜しいのだ。
「クラウンもチタンにすれば、チタンのボディと溶接ができてのりしろがなくなります。だったらクラウンに使えるチタンを探そうということになりました」
 そうして選ばれたのが、高強度の鍛造15-3-3-3チタン。これにより、クラウンは、鋳造だった先代の0.7ミリから0.5ミリになり、軽くすることができた。ちなみに、“チタンコンポジット”は他にもあるが、それらがチタン同士の接着で、のりしろができてしまうのに対し、ALゼクシオの場合は新たにレーザー溶接を行っている。これも、高度な技術が為せる業だ。しかも、ボディはもともと穴が空いたものを作るのではなく、あとから切り取ってクラウンをはめ込んでいる。
「そういう点では、かなり手間とコストがかかります。それでも、やる価値があるものなのです。クラウンを薄く、軽くする試みは他社でもやっていますが、同じことをやるなら、より効果がある方法でやろうと取り入れたのがレーザー溶接でした。ただ、これもしばらくすれば他社でも当然始めるので、それだけでは面白くないとも考えました」


適合ドライバー専用の新素材「軽比重チタンフェース」

フェースとクラウン写真
高い打球音を生むソールのリブ
(適合モデル)

適合モデルのドライバーのソールに、“く”の字型に配置されたリブ。この仕掛けと、あくまで金属の複合にこだわった構造の組み合わせが、高くて残響が長いインパクト音を生む。
 さらなる軽量化を狙って、山元たちが着目したもの。それは、フェースの素材だった。
 高反発モデルをベースに適合モデルを作る際には、フェースの肉厚を厚くすることで反発係数を下げている。だが、ALゼクシオで同じことをしていては、フェースは重くなり、重心深度が浅くなってしまう。
「フェースを軽くするために、比重の小さいものを選ぶのは当然でしょう。でも、同じ軽くするなら、薄くしても反発性能が抑えられる素材のほうがいいわけです」
 フェースに余分な重量は使いたくない。その考え方から選ばれたのが、軽比重チタンという新素材だった。このチタンは、開発されてまだ2、3年と新しく、今まで採用してきたチタン素材の中ではもっとも比重が軽いもの。
 こうしてフェースは先代の適合モデルにくらべ、薄く、軽くすることに成功。もちろん反発係数はルールぎりぎりに抑えてある。
「クラウンとフェースを軽量化することで、トータルの余剰重量を生み出し、その分ソールを厚くしたり、ウエイトをつけたりして、重心を低く、深くするために使いました」
 実は、山元たち開発陣がフルチタンにこだわったのには別の理由もあった。それは、ゼクシオのトレードマークともいえる高くて伸びのある打球音と関係がある。
「これまでの適合モデルは、フェースを厚くしていたために音が悪くなるという欠点がありました。ショップの店員さんにも、『適合モデルは音が悪い』というイメージが強かったのです。カーボンを使ったコンポジットはなおさら。だから、ALゼクシオの適合モデルでは音のよさを追求し、フルチタンにこだわりました」
 クラウンを軽くするだけなら、チタンより比重の小さいカーボンのほうが適しているともいえる。だが、打球音にこだわった山元たちは、金属であるチタンを選んだのである。さらに、ALゼクシオで新たにソールにリブを入れたことで、これまでの適合モデルのイメージを覆す高くて心地よい打球音を実現できた。
 こうしたさまざまな工夫によって、「適合時代のスタンダードになる理想のヘッド構造」と山元が胸を張る適合モデルが完成したのである。

大型ヘッド+低重心化で飛ばす高反発モデル

実打実験データ
適合モデル、
高反発モデルともに方向安定性がアップ

実打テストによる新旧モデル(R、ロフト10度)の飛距離、方向性の比較。先代モデル(高反発ヘッド)にくらべ、ALL NEW ゼクシオの高反発モデル、適合モデルは飛距離がアップしているだけでなく、左右のバラつきもかなり小さくなっている点に注目。
 一方、高反発モデルの開発は、従来モデルと同様、ヘッドの十分な反発力を生かし、どれだけ遠くに飛ばすかに力が注がれた。
 ただ、高反発モデルの反発係数は、ルールは考慮しなくていいとはいえ、別の制約があった。 「先代モデルのフェースの反発係数は、すでに限界近くにまで高まっていました。もちろん、今回も反発係数を千分の1でも上げるための努力はするものの、それだけでは大きな性能アップが望めません。そこでめざしたのが、フェースの高反発エリアを広げることでした」
 高反発エリアが広がれば、打点がバラついてオフセンターショットになっても、“絶対飛距離”は伸びる。それを実現させるために、従来405cmだったヘッドをルール上限の460cmまで大きくした。ヘッドが大きくなれば、フェースが広くなるだけでなく、おのずと慣性モーメントも大きくなる。
 さらに、フェースの構造でも反発係数を上げるために、肉厚分布や素材をもう一度洗い直すという作業にも取り組んだ。
 その結果、素材はDAT55Gチタン、肉厚はもっとも厚いフェース中央から3段階で変えた先代モデルと同じ構造分布がベストだという考えに至った。ただ、フェースが大きくなって肉厚の厚いところが広くなれば、当然反発性能は落ちてしまう。品質をクリアした上で、できれば薄い部分の面積を広くしたかった。
「厚い中央部分から周辺に向かって薄くなっていく傾斜部分の面積を広げました。つまり、中間的な厚さの部分を増やしたことで、従来モデルより反発係数を高めることができました」
 たんにヘッドを大きくするだけでは重心が高くなってしまうため、今まで以上に重心を下げる工夫も必要だった。では、どうしたのか? その答えは、クラウン部分の肉厚を、それまでの0.7ミリから、製法を工夫することで0.6ミリとさらに薄くするというものだった。これらの取り組みによって、先代の高反発モデルにくらべ、飛距離は平均で8ヤードの大幅アップ(HS40m/sでRシャフト・ロフト10度のモデルを実打テストした場合)。打ちやすさを追究した結果、飛びも手に入れることに成功したのである。
 SLEルールが施行されるのは2年先であり、それまでは少しでも遠くに飛ぶドライバーを使いたい。2004年と2005年の2度にわたって行ったSLEルールに関する調査では、そう答えるユーザーも少なくなかった。その要望に応えるために開発されたALL NEW ゼクシオの高反発モデルは、飛びへの欲求をきっと満足させてくれることだろう。


写真 写真

ALL NEW ゼクシオ ドライバー
(SLEルール適合モデル)

ALL NEW ゼクシオ ドライバー
(高反発モデル)

次回の特集は、「フェアウェイウッド&ユーティリティ編」となります。